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玉湯の文化財ガイド

■林古墳群(玉湯町林村)
 林古墳群は宍道湖に突き出した鳥ケ崎丘陵にあります。約50基からなり

、出雲地方でも代表的な古墳時代後期(6〜7世紀)の古墳群です。多く

は直径10メートル内外の小円墳と考えられますが、方墳1基と前方後円墳

4基が確認されています。

 この中で発掘調査されたのは第8号古墳と第43号古墳の2つです。

1)古い横穴式石室をもつ第43号古墳


 この古墳は、出雲地方で最古の横穴式石室をもつ小形の前方後円墳です。

南側にある農道改良工事のため発掘調査し、1987(昭和62)年度に、北

側の隣接地に古代の技法そのままに復元しました。

 全長は約18メートル。内部に小型の横穴式石室があります。壁から天井

へと扁平な山石を積みあげて造られています。

 副葬品 は玉類、直刀、鉄鏃など総数は200点をこえています。須恵器(す

えき)の坏(皿)を転用した枕が3セットあることから、少なくとも3人

を葬ったと思われます。

 第43号古墳は、6世紀の中ごろに築かれ、その後数回にわたり追葬が行

われました。

2)石棺式石室をもつ第8号古墳


 第8号古墳は、宍道湖を間近に望む鳥ヶ崎の丘陵の先端付近にあります。

1978(昭和53)年に墳丘と石室の実測調査が行われました。

 林古墳群の中ではただ一つの方墳です。東西17m、南北20mの長方形

で丘の先端の地形を利用して築かれています。羨道(せんどう)の入口は

南側にあります。

 石室は、出雲地方東部に多く見られる横穴式石室(石棺式石室)です。

凝灰質砂岩(来待石)の切り石を組み合わせてつくられ、玄室と羨道から

なっています。玄室は奥行き約2m、幅約2.5m、高さ約1.8mの広さ。南

側を除き、壁・天井はそれぞれ一枚の切石で造られています。

 玄室の閉塞石には、かんぬき形の浮き彫りの一部が残っています。この

浮き彫りは宍道湖周辺でのみ見られる特徴です。

 かなり昔に盗堀されており、遺物はほとんど残っていません。外から入

りこんだ土の中から、須恵器片、円筒ハニワの破片がわずかに見つかって

います。7世紀の初めの築造と考えられます。    
  林古墳群の分布図
 第43号古墳の石室(奥:玄室、手前:羨道)
 第8号古墳の玄室入口